Story

ストーリー

『こんなところで人生の最後を過ごしたくない。』

引用:山形聡(2019).『生命あふるる日々: ALS 全身が動かなくなる病と生きるノンフィクションストーリー』.Kindle版,298pp.

これまで身体のケアに携わるお仕事を約10年間やってきて、少しずつ考え方が変わってきた。

病気になって思うように身体を動かせなくなった人が、少しでもやりたいと思ったことを諦めずにいられるようにしたい。

一緒にリハビリをしたいと思ってもらえるように、身体だけじゃなくて心の動きもみれるようになりたい。

たとえ身体が不自由でも心持ち次第で生活って変わる。

どうやったら、身体が心が動けなくなる前に予防できるのだろう。

人が生きていくうえで生活に寄り添うにはどうすればいいのだろう。

人生の終わりに少しでも生きていてよかった、ここにいて良かった、この人と出会えてよかったと思ってもらうためには。

自分はこんなところで人生の最後を迎えるのか。

身体のケアに携わる仕事をしながら、私の人生に対する考え方も少しずつ変化してきた。

 

リハビリの仕事をしながら、2020年から始めた画家活動。

コロナ禍で今まで以上に閉塞的になる施設生活。

そこにいる高齢者や介護する人の生活を考えながら、

自分の人生や生きがいについて考える。

 

こんなところで人生の最後を過ごしたくない。

 

今の日本の問題は高齢化社会、介護士不足。

新しい人が入ってきても現実的に大変なことが多くて辞めていく人の方が多い。

運よくとても良い施設にいられる入居者や介護士の方々は、ごく一部。

自分たちの将来住む場所がそんな場所になっているかもしれないことを、どれだけの人が真剣に考えているのか。

その現実を私は自分のためにどうにかしたい。

外に出ることが出来ない人たちが、そこにいることを少しでも楽しむ、人生の最後に良かったと思えるひと時を作るために自分ができることは。

それを考えたときに

 

自分が描いた絵を自分が住むかもしれない場所に飾ること。

 

出来るなら絵を描くという作業活動をそこにいる人みんなと一緒に楽しみ、リハビリをしてみたり。

そして、それを通して外の人が閉鎖的な環境に足を踏み入れてみようというきっかけになること。

それが今、最終的にしたいこと。

自分の身体が思うように動かなくなる前に、自分がここで生活するのも悪くないなと思えるように、そんな場所を作りたいと思っている。

今、介護施設でこんなことをするだけの余力は実際のところ、無いのが現状。

これを知っている人がどれだけいるのかはわからないけど。

沢山の人を巻き込んで、助けてもらいながらじゃないとできないこと。

まず、私は私の絵というパワースポットを各地に広めたい。